ラストバージン
「聞いてない……と思うんだけど……」
不安を隠しながら恐る恐る答えた私に向けられたのは、眉を寄せた不満いっぱいの表情。
「僕の最初の告白、覚えてないの?」
「えっと……」
蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった私は、視線を泳がせて逃げ道を探す。
そんな中でも精一杯考えていると、ようやく榛名さんに言われた頃の記憶に辿り着いた。
『僕は、結木さんの事が好きです。だから……僕と、結婚を前提にお付き合いして頂けませんか?』
そのセリフを鮮明に思い出した瞬間、まるで今聞いたばかりのように鼓膜が振動させられた。
「すっかり忘れていたみたいだね」
だけど、すぐにピンと来なかったのは、私の中では最初の告白はなかった事になっていたから……。
とは言っても、そんな風に言ってしまうと語弊がある。
何故なら、全てをなかった事にした訳ではないから。
榛名さんの想いを初めて告げられた時には、彼はまだ私の過去を知らなかった。
そして、過去を打ち明けてから改めて二度目の告白をして貰った時には〝結婚〟というワードはなかったし、自分の過去を告げた以上は榛名さんは私との結婚なんてすぐに考えられないと思っていた。
だから……。
不安を隠しながら恐る恐る答えた私に向けられたのは、眉を寄せた不満いっぱいの表情。
「僕の最初の告白、覚えてないの?」
「えっと……」
蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった私は、視線を泳がせて逃げ道を探す。
そんな中でも精一杯考えていると、ようやく榛名さんに言われた頃の記憶に辿り着いた。
『僕は、結木さんの事が好きです。だから……僕と、結婚を前提にお付き合いして頂けませんか?』
そのセリフを鮮明に思い出した瞬間、まるで今聞いたばかりのように鼓膜が振動させられた。
「すっかり忘れていたみたいだね」
だけど、すぐにピンと来なかったのは、私の中では最初の告白はなかった事になっていたから……。
とは言っても、そんな風に言ってしまうと語弊がある。
何故なら、全てをなかった事にした訳ではないから。
榛名さんの想いを初めて告げられた時には、彼はまだ私の過去を知らなかった。
そして、過去を打ち明けてから改めて二度目の告白をして貰った時には〝結婚〟というワードはなかったし、自分の過去を告げた以上は榛名さんは私との結婚なんてすぐに考えられないと思っていた。
だから……。