黒愛−kuroai−
反対していないと言うので、箸に突き刺した手作りミートボールを、口に入れてあげた。
モグモグ口を動かす菜緒。
「私の手作り、美味し?」
「…… ソースの味はいいけど、
中がネチョッとしてる」
◇
放課後。
まだ寒い外気温の中、いつものようにテニスコートへ。
白ジャージ姿の彼に手を振ると、練習を中断し私に近づいて来た。
またカイロをくれるのかと思ったが、今日は違った。
「あのさ、愛美のイジメ、もう収まってるよね?」
「はい。今日も何もされなかったです」
「そう、良かった。
じゃあさ、悪いけど今日は、別で帰ろ?」
イジメが無くなり守る必要はなくなった。
また一人の時間が欲しいと、ふざけた事を言うつもりか…
上目遣いでジットリ無言で見つめると、柊也先輩が慌てた。
「変な理由じゃないよ!
あいつに、相談あるって言われてさ。男同士の話し。
帰りにあいつの家に寄る約束してるから…
だからゴメンな。今日だけは別で帰ろうな」
まだ“いい”と言ってないのに、勝手に話しを切り上げられた。