黒愛−kuroai−
 


練習に戻る柊也先輩。


“あいつ”と言われたのは、彼の隣でラケットを振る、テニス部2年の男子。



その人が、

「俺の相談じゃなく、お前の相談だろ?」

そう言って、慌てた柊也先輩に口を塞がれている。




こっちを気にしながら、何かをごまかし笑う先輩。


それを見て、笑顔で手を振り、テニスコートを後にした。




そうか…

“相談”と言うのは、柊也先輩の相談なのか。


その内容は間違いなく、“結婚”についてだろう。



私が菜緒に話したように、彼だって、喜びを友達に話したいよね。



そんな理由なら、
“別に帰ろう”と言われも許してあげる。



幸せ気分を友達に話し、気持ちを盛り上げてくれるのは嬉しいから。




 ◇


一人の帰り道、歩きながらメールを打つ。


駅に着く前に、返信が返ってきた。




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sub:OK♪
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後30分で仕事上がるから、イオン〇〇店で待ち合わせ。いいかな?

買物から一緒にしよう♪

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そのメールの送信者は、柊也先輩の母親。



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