黒愛−kuroai−
 


息子の夕食をいそいそ準備する私を見て、酔った父親が言った。




「やっぱり、女の子はいいよな〜
息子一人より華がある。

なあ母さん、今から娘を作るか?」




グラスワインをグビリ飲み、母親が笑いながら、父親の背中をバシバシ叩く。




「こんな歳で、産めるわけないでしょ?

大丈夫!
娘ならそこにいるじゃない。

ねー愛美ちゃん、いつお嫁に来る?明日?明後日?」




湯気立つビーフシチューを真っ白な皿に入れ、テーブルに置いた。


彼の夕食を整えて、座り直し、はにかみながら答える。




「お嫁さんですか?
え〜明日は無理ですよ〜

柊也先輩が18歳になったら、お嫁に来ますね。

お義父さん、お義母さん、宜しくお願いします!」




空のグラスにワインを注ぐと、
父親は嬉しそうにこう言った。




「“お義父さん”か!
嬉しい響きだな〜

愛美ちゃんはイイ子だな。
明るくて素直で可愛い!」




母親の空いた皿に、サラダを取り分け、ドレッシングを掛ける。


彼女も楽しそうに、こう言った。




「こんなに出来た子が、うちの息子と付き合ってくれるなんてね〜

愛美ちゃん約束だよ?
うちに嫁に来てよ?

柊也に飽きて、他に行かないでよ?アハハハッ!」




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