黒愛−kuroai−
 


お義父さん、お義母さんに
“お嫁に来て”と頼まれちゃった。


“家族4人”で囲む食卓は、賑やかで温かい。



終始笑顔で話題の尽きない私達。

その中で柊也先輩だけは、口数少なく、黙々と食べていた。




 ◇


夜9時を回り、帰ることにする。

外は真っ暗、当然柊也先輩に送って貰う。



無言の彼に腕を絡め、上機嫌な私は話し続ける。




「今日は楽しかったな〜

お義母さんとお揃いのエプロンで、一緒にお料理。
お嫁さん気分で最高!

先輩の好きなビーフシチュー、完璧マスターしました。

また作りに行きますね?」




「………」




「お義父さんと一杯話せたのも良かった〜

爽やかでダンディーですよね。
さすが柊也先輩のお父さん!

あれ?逆?
素敵なお父さんに似ているから、柊也先輩も素敵なんですね!
ウフフ」




「………」




「柊也先輩、次の日曜、ブライダルフェアに行きませんか?

色んなホテルでやってるんですけど、私が行きたい所は……」




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