黒愛−kuroai−
 


“付き合いについて”
の話しがしたい…

低く吐き出すように言われた言葉に、スッと笑みを消した。



一瞬、彼が怯む。


口元だけ、薄笑いを戻してあげたけど、内心、下らないと呆れていた。




私が話したいのは“結婚”について。


入籍や式場予約、招待客選び。

ブライダルフェアを見に行き、衣装を試着し、髪型やブーケや料理…

そんな事を話し合いたい。



今更“付き合いについて”話してどうなるの?

下らない。

理想の愛に向け、一段一段階段を上る時なのに、下がることは許さないヨ。





「痛いっ…」

急に呻いてうずくまる。


手からお弁当袋が落ち、床にゴロリ転がった。




「お腹痛い…
菜緒っ、菜緒っ、こっち来て!」



大声で呼ぶと、他の女子とお昼を食べていた菜緒が、隣に来た。




「愛美?急にどうした?」



「お腹痛くて…動けな…
ごめん、保健室まで連れて行って?」



「え…でも…」





菜緒は、柊也先輩と私を交互に見て、困り顔。

保健室に連れて行くのはいいが、
「なぜ彼に頼まず私に?」
と言いたげだ。



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