黒愛−kuroai−
 


「俺が連れて行くよ…」


溜息混じりの声が聞こえ、腕を掴まれた。


その手を振り払い、菜緒にしがみつく。




「柊也先輩はいいです。
自分のクラスに戻って下さい。

私、保健室に行った後、早退しますので、一緒に帰れませんから」




菜緒を引っ張り、足早に保健室へ行く。


“職員室にいます”の札が掛かり、保健の先生は不在だった。



3つのベットは誰も使っていない。

窓際のベットに潜り込み、頭まで布団を被った。



ベットサイドで菜緒が聞く。




「仮病でしょ?
さっき何があった?喧嘩?」



「喧嘩じゃない。
ラブラブだもん。後2ヶ月で結婚するもん」




ベットが沈む。

菜緒が私の横に座ったのが分かる。



小さな溜息をつき、菜緒は静かに話し出す。




「最近の愛美、少しおかしいよ…

高校生の結婚は普通じゃない。

愛美が一人で突っ走ってるだけでしょ?

柊也先輩のさっきの顔、明らかに怒っていたよね…

結婚なんて馬鹿なこと考えるの止めな…

折角上手く付き合っているのに、壊れちゃうよ…」



「……」




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