黒愛−kuroai−
私が無言なのをイイ事に、菜緒は調子に乗り、説教を続ける。
「謝って仲直りしな。
もう結婚の話しはしませんと言えば、きっと許してくれるから」
「……」
「愛美、ねぇ愛美ってば…
友達だから、心配して言ってるんだよ?
ほら、顔見せなよ。
涙拭いてあげるから」
菜緒は布団を剥がそうと手を掛ける。
その前に自分から布団を跳ね退け、起き上がった。
喧嘩して、泣いていると思った菜緒。
鋭利に睨む私に驚き、息を飲んだ。
泣く必要はない。
喧嘩していないし、深く愛し合っている。
馬鹿じゃないの?
ベット端に座る菜緒の背中を、力一杯突き飛ばす。
短い悲鳴を上げ、俯せに床に倒れる彼女。
その背中を強く踏み付けた。
「友達だから、心配して言ってる…?
残念。菜緒は友達じゃない。
私に意見した時点で“敵”だから。
あんた、上靴にカラーピン入れられたいの?
イジメ加害者に仕立て上げられたいの?
中沢亜子やブタ子みたいになりたくないなら、余計なこと言うな。
私を本気で怒らせると…この学校にいられなくなるヨ…」