黒愛−kuroai−
カラーピンに刺した、避妊具の小さな正方形のパッケージ。
ピンを指先で回すと、避妊具も風車みたいにクルクル回って面白い。
「ウフフ… フフフフ…」
「まさか…」
“まさか…”
彼は、それ以上の言葉を言えずにいた。
ある不吉な予感の下、安心していた顔が、見る見る強張って行く。
言葉の出ない彼の代わりに、私が続きを話してあげる。
「まさか… さっき使った避妊具にも、穴を…
そう聞きたいのですか?
フフッ 開けましたよ。
一ヶ所だけじゃなく、ブスブス穴だらけです。
今日の私、ちょうど排卵日なんです。
上手く受精すると、イイデスネ」
私の下腹部の中で、卵子に向け、必死に泳ぐ、彼の分身達を想像していた。
裸の腹部を撫でながら、楽しくて笑いが止まらない。
きっと妊娠する。
ううん、絶対妊娠する。
笑い続ける私と、
恐怖に固まり続ける柊也先輩。
私が“ママ”で、
アナタが“パパ”だよ?
今までの関係がやっと終わり、新たな関係が始まった。