黒愛−kuroai−
 


何これ…不良品じゃないか…

1180円もしたのに、ムカツク…



プラスチック製スティックをへし折り、ごみ箱に投げ入れた。


薬局に怒鳴り込み、キモパーマに苦情を言おうかと思ったが、止めた。




薬局じゃなく産婦人科へ行こう。


どうせ近い内、マタニティクリニックに通うことになる。

妊娠判定も、こんな当てにならない市販品じゃなく、ちゃんと病院で結果を出して貰おう。




そう思い、脱いだばかりのコートを着て、家を出た。


次の目的地は、駅前のマタニティクリニック。


ネットで調べた結果、この辺りで一番評判が良かった。




20分後、病院に着く。

自動扉を開け中へ。


開放的な待合室は、淡いピンクを基調とし、私好みの色合い。


ネットの評判通り、広い待合室は、お腹の大きな妊婦達で混み合っていた。




受付で「妊娠検査がしたい」とハッキリ言った。


受付の若い女性は、薬局のキモパーマみたいな目で見なかった。


非難も好奇もなく、無表情に問診表を渡し、説明するだけ。



ここは産婦人科だから、妊娠検査に来る女子高生は、珍しくないのかも。


うっかり妊娠しちゃった馬鹿な女子高生と、計画妊娠の私を一緒にしないで欲しいけど。



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