黒愛−kuroai−
 


最終月経日、性交日など、細かに記入し、問診表を提出する。


その後、看護師に尿検査の紙コップを渡された。


言われた通り尿を取り、混み合う待合室で、また待たされる。




子育てママ向け雑誌を読みながら、待つこと40分。

やっと名前を呼ばれた。



元気に返事し、診察室に入る。


椅子に座る私の前には、白髪混じりの男性医師。


ドキドキしながら、期待する言葉を待っていると、

医師は眼鏡の奥の瞳を細め、
「心配しなくても大丈夫」と言った。




「大丈夫、妊娠していないよ。良かったね。

これからは、こういった心配がないように、きちんと避妊しなさいよ。

それから……――――――――――――」





期待と真逆の言葉を言われた。


その後医師は、若年妊娠の危険や、性病の恐ろしさ、避妊具の正しい使い方など、好き勝手に喋り出す。




その言葉は、耳に入らない。

怒りが込み上げ、両手がワナワナ震え出す。




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