黒愛−kuroai−
 


『決めたよ…心中場所。

××駅の西改札口で、1時間後に待ち合わせよう』



「はい!分かりました!」



『必ず来い。逃げるなヨ…』





通話がプツリ切れた。



“逃げるなヨ…”だって。
私が逃げる筈ないのに。



彼の方が逃げ出すのではないかと、チラリ予想していた。


でも、そんな心配いらないみたい。


やっとその気になったみたいで、ウレシイヨ。




 ◇


待ち合わせ5分前に駅に着く。


柊也先輩は既にそこにいて、柱に背をもたれ、私を待っていた。


ダークグレーのお洒落なジャケットが、素敵な顔と、今日の雰囲気に良く合っている。




「柊也先輩!」


名前を呼んで駆け寄り、抱きついた。



彼は嫌がらない。

それどころか、私の手を取り、指を絡ませ、恋人繋ぎでしっかり握って来る。



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