逢いたい~桜に還る想い~
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『───ご懐妊でございます』
………ようやく抜け出したと思っていた地獄から、
メキメキと黒い魔物の触手が伸びてきて、私の身体をじっとりと絡めとる。
久我家での生活が、別に幸せな訳じゃない。
幸せになんてなれる訳ない。
死にたくても死なせてもらえず、監視される日々。
ただ息をして、そこに“いる”だけ。
なのに───
愛していない男の許に、政略結婚の駒として嫁がされても、
生ける屍のように、静かに息を殺していたとしても、
簡単には私を、“母殺し”への贖罪から、───父の狂気から、
………逃がさないというの………
『おめでとうございます。どうぞ、御身を大切に』
………やめて。大切なんかじゃない。
『晴虎様、此度はまことにおめでとうございます』
………この男も身に覚えのないことに、さぞかし困惑しているだろう。
それとも、『不貞だ』と私を蔑む?
厄介者でしかない私の裏切りに、憤慨する?
ならば───いっそ、私を殺してくれればいいのに。
だって、この身に宿したのは────………