逢いたい~桜に還る想い~
─────…………
飛行機が目的地に到着し、静かだった機内が喧騒に包まれる。
「トコ、空いてから降りよう」
「……郁生くん、大丈夫かな……?」
「子どもじゃないんだから、降り口で待ってるでしょ。無理……しない方がいいよ?」
「……ありがとう」
「お母さん達後の便だし、空港内で待たなきゃいけないんだから、のんびり行きましょ」
───年末で混み合う中、家族全員が同じ便には勿論乗れず、両親は2時間後の便に乗ることになった。
あたしと瑤子ちゃんは偶然出たキャンセルで隣同士の座席に、
……郁生くんは、あたし達と同じ便だけど、少し離れた座席に搭乗している。
本来は、未成年の郁生くんが瑤子ちゃんと一緒の方がいいのだろうけど、
あたしのこの状態に、二人が有無を言わさずに決めた。
そう、─────あたしの中に起きた、異変………
立っていられなくなるほどの強い吐き気。
言い様のない胸の痛みと苦しさ。
渦巻く、狂気と罪悪感。
キーになるのは、子どもの──特に赤ちゃんの──声………泣き声。