みあげればソラ
あの時、俺は誓ったのさ。
美亜は俺が絶対守ってみせる、ってさ。
「まったく、どうしようもない売女だね。
もう次の男を見つけたのかい、さすがだね」
「ちょっと、菅野さん、自分の娘にその言い方はないんじゃ……」
保護士の内田さんに窘められて、それでもあの女は美亜を愚弄することを止めなかった。
「あんたも気をつけるんだね。
その女は誰彼かまわず男をハメテ、骨抜きにしちまうんだから」
「菅野さん!」
「その子の見た目に騙されちゃいけないよ!
そいつは魔女さ、悪魔さ、間違いないよ!
一度抱いたらお仕舞いだよ、男を狂わせて、オモチャにするのさ!」
俺の背中で美亜は震えていた。
俺は状況から確信した。
嗚呼……、美亜はこいつの男にヤラレタんだなって。