彼女の恋~小指の赤い糸~
俺が彼女を信じてないんだと言った。
違う。
好きだって言ってくれた事もちゃんと信じてる。
軽率だった。
引き止める為にあんな事を言ってしまい傷つけて泣かせてしまった。
朝、嬉しくて自分の腕の中にいる中島さんは本物かと何度も確かめてしまった。
課長の事を口にしたのは彼女がすり抜けて行きそうで怖かったからだ。
「――――だから、いいかげんこっちを見てくれよ。
なぁ、中島さん?……紗季?」
驚いた顔でこっちを見た彼女は柔らかい表情に戻っていた。さっきまで泣いていたはずの中島さんは顔を赤らめて、こっちを見上げた。
そのしぐさは可愛いくて抱きしめたくなったけど出しかけた手を引っ込めた。
俺の気持ちは分かってくれたんだろうか。
「やっとこっちを見た」