彼女の恋~小指の赤い糸~



マンションに着いて車から降りた後に見覚えのある車が見えた。


「あれ、多分課長の車です」


そう言うと携帯を確認した主任は。


「課長からの着信が二度入ってる。
待たせたみたいだ」

主任の後に付いて課長の車に近付いて行くと、こっちに気付いた課長は車から降りた。


「課長、待たせてすみません」


「いや……」


課長は私をチラッと見てから主任に視線を戻した。



主任の階までエレベーターで上がって行く間の中に漂う重苦しい空気に気分が悪くなりそうになり唇をかみ、俯いて耐えようとした。



主任の手が私の手をギュウッと包んで、ハッとして顔を上げたら主任が心配ないって云うように笑みを浮かべて手をもう一度握って来た。


私も、もう主任から離れないって気持ちをこめて手を握りかえした。



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