この愛に抱かれて
看護婦は部屋を出ると、大きな声で先生を呼んだ。


「先生!目 覚めましたよ」



すると、サンダルの床を擦る音とともに白衣を着た老人がやってきた。



「どうかね、具合は?」



「大丈夫です」



「それは良かった」



「あの?・・・私?・・・」



「崖の上で気を失ったんですよ。もうちょっとで落ちるとこだったらしいですよ」

看護婦はハキハキとした声でそう言った。
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