恋するほど   熱くなる
私はロッカー室でまた着替えた。

荒木さんとランチをとった。

「美莉、関根先生は業界でも有名な人なんだ。その彼に特別扱いされるなんてすごいことだよ。僕もびっくりだ。レッスン代は事務所が支払うから、君は自分を磨いて身体を慣らしてほしい。午後はエステと美容院だ。夜は本部の上層部の連中と会う予定だ。大丈夫?あんなに踊って疲れない?」

「気持ちがよかったです。関根先生がリードしてくださって身体が自由に動かせました。日曜日が楽しみです。」

「それはよかった。僕はてっきり君が無理をしたんじゃないかと思って心配だったよ。」

「今日はちょっぴりきつかったです。」

「どうして?」

「昨日貧血を起こしたので、まだ体調が良くないんですもん。」

「毎月そんなに重いの?病院へは行ったことないの?」

「行った方がいいでしょうか?」

「僕の兄が婦人科医なんだ。明日診てもらおう。内膜症かもしれない。軽ければいいけど。」

「ずい分お詳しいんですね?」

「僕も医者を目指していたんだ。途中で辞めたが。」

「どうしてですか?」

「いろいろあってね。あまり言いたくない。軽ければピルを飲むだけで済むと思う。低量だから副作用もないに等しい。もっと自分の身体を知っておけよ。」

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