恋するほど   熱くなる
私は荒木さんのそばで

カメラマンやレポーターに取り囲まれていた。

「美莉さん、今日の舞台を終えてひと言お願いします。」

「はい、関根先生の相手役を務めさせていただき大変光栄に思っています。レッスンも厳しく、その分とても素晴らしいリサイタルになり私も嬉しく思います。」

その場でこの間のスクープ記事が誤解であったことも伝えた。

そして新たに大きな記事に取り上げられたことに

荒木さんは大満足のようだった。

『美莉、モデルとダンサーを兼ねる真の妖精』と。

「美莉、関根先生は来年のリサイタルも君を希望しているが、何と返事をすればいい?」

「来年?」

「そうだよ。来年の九月にまたリサイタルを予定しているそうだ。」

「一年後のことをもう今から決めておかなくてはダメなのかしら?」

「この件だけはね。例え君がモデルの仕事を辞めていたとしてもダンサーは続けられるだろ?」

「そうですね。やります。また踊ります。」

< 34 / 105 >

この作品をシェア

pagetop