さみしがりやのホットミルク
「話した、って……なに、それで、出てけって言われた?」
「そんなことは、言われない。……でも、こわがってた、と思う」
「……”思う”? ……それ直接、かえサンから聞いたのか?」
一瞬考えてから、俺はふるふる、首を横に振った。
すると光が、その整った顔を怪訝そうにゆがめる。
「はあ? なんだそれ!? はっきり話もしないまま、出てきたってか!?」
「……しかも、ドサクサでがっつり手ぇ出してめちゃくちゃにしてきました。気の済むまで罵ってください」
「はああああ?! おま、それ……っ世間じゃやり逃げって言うんだぞお馬鹿───!!」
「いってえぇ!!」
ほとんど叫ぶような声とともに、スパーン!と本気の力で頭をハリセンで殴られた。金持ちの家には何でもある。
思いのほかでかかったその衝撃に、言葉にならないうめき声をあげて。頭を両手で抱えたままうつむき、痛みに耐える。
目の前に仁王立ちしている光が、鼻息荒くハリセンを後ろに放り投げた。
「そんなことは、言われない。……でも、こわがってた、と思う」
「……”思う”? ……それ直接、かえサンから聞いたのか?」
一瞬考えてから、俺はふるふる、首を横に振った。
すると光が、その整った顔を怪訝そうにゆがめる。
「はあ? なんだそれ!? はっきり話もしないまま、出てきたってか!?」
「……しかも、ドサクサでがっつり手ぇ出してめちゃくちゃにしてきました。気の済むまで罵ってください」
「はああああ?! おま、それ……っ世間じゃやり逃げって言うんだぞお馬鹿───!!」
「いってえぇ!!」
ほとんど叫ぶような声とともに、スパーン!と本気の力で頭をハリセンで殴られた。金持ちの家には何でもある。
思いのほかでかかったその衝撃に、言葉にならないうめき声をあげて。頭を両手で抱えたままうつむき、痛みに耐える。
目の前に仁王立ちしている光が、鼻息荒くハリセンを後ろに放り投げた。