さみしがりやのホットミルク
「この不器用くんめ!! すきならとことん話して理解してもらって、そんで一緒にいてもらえるようにどーにかやり込めるもんだろうが!!」

「どーにかやり込めるって……言い方わりーな」

「言い方は悪くても!! ……そんだけの努力を、おまえはするべきだったと思うけど!」

「………」



荒っぽい光の言葉に、今度こそ俺は、押し黙った。

そんな俺を見下ろしながら、ふう、とため息をついて。再び光は、椅子に腰をおろす。



「でも、まあ……その件に関しては、合意のうえだったんだろ?」

「……抵抗は、されなかった。少なくとも、俺が家の話をするまでは──同じ気持ち、だったと思うから」

「またそんな、曖昧な……」

「……言わなかったし、言わせなかったから。……聞いたら、もう、離れられないと思ったんだ」

「………」



《おみくん、……す──、っ、》



彼女は、何度も。きっと俺が1番欲しかった言葉を、口にしようとしていた。

だけど俺は、それを拒んだ。そのくちびるを深く塞いで、そして、まともに話もできないくらいに、めちゃくちゃに攻め立てた。
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