さみしがりやのホットミルク
「……その件は、もう、どうでもいい。……佳柄は、どこだ」

「へぇ。逃げるに至った理由については、もうあなたの中で決着がついたって? それは、あの子を助けるためかしら」

「………」

「ふぅん、そう。そんなに、あの子のことが大切なのね」



にこりと母さんは綺麗に微笑んで、それから俺の背後にいる伊月に、アイコンタクトを送った。

それを受けた伊月が、いつの間に持ち込んでいたのか、流れるような動作で母さんの横にノートパソコンを置く。

ディスプレイがこちらを向くように設置されたそれに、不審に思って眉をひそめると。

伊月がどこかのキーを押したことで、ふっと、画面に映像が映った。

そこに、映し出されたのは。



「……ッ、」

「ちゃんと見えるかしら。とりあえずあの女の子は、組の所有する建物のとある部屋に、一応無事で転がってるわ」

「ッ、佳柄……っ!」



どこか薄暗い部屋の中、両手両足をロープのようなもので縛られ、青白い顔で畳の上に横たわる佳柄の姿。

思わず母さんに掴みかかりかけた俺を、素早い動きで、伊月が後ろから羽交い締めにした。
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