さみしがりやのホットミルク
──……本当は。

本当は、彼女の言う通りだった。

人から、なんて言われようと。世間一般的には、普通の家柄じゃなくても。

俺は、自分の家族や、気さくに話しかけてくる組員たちを、どうしても嫌いにはなれなかった。

いつの日か、ここを守れるような強い人間になりたいって……ずっと、思ってた。



《いつか、こういう子をまもれるような、強いおとなになって……それで、“うち”の、強いリーダーになる》



……あの日の誓いに。嘘なんて、ひとつもなかったんだ。

ずっと胸の中で、大切に、持ち続けていた。


だけど幼い頃誓った気持ちは、歳を重ねるごとに、少しずつ陰っていって。

綺麗事だけじゃ済まされないこの世界で、自分はずっと強く、いられるのだろうかとか。

本当に、自分がここを、守っていけるのだろうかとか。

そんな思いが次第に、あのとき感じた気持ちを、無意識に心の奥底へ封じ込めていって。


……けれど。
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