さみしがりやのホットミルク
とまあ、勇み足で服屋に行ったはいいものの。俺は明らかに若い女子向けの服しか売っていないその場所に、いたたまれなくなって。

結局佳柄に向こうのベンチで待ってる、と言い残し、その店から少し離れたところで、彼女の買い物が終わるのを待っていた。



「ごめんねぇオミくん、お待たせ~」



ベンチに腰掛けぼんやり人の流れを眺めていたら、不意に後ろから、そんな声が聞こえてきた。

振り返って、その声の主が、予想通り佳柄であることを確認して。

だけども俺は再び、くるりと反射的に前を向く。



「え、えっ? オミくんどうかした?」

「……別に、なんでもない」



戸惑ったような彼女の声に返事をして、ベンチから立ち上がった。

次はどこ行きたい?なんて話をしながらも、俺はやはり、まっすぐに彼女のことを見ることができなくて。

その、理由は──……着替えた後の、彼女の服装にあった。
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