さみしがりやのホットミルク
「……ブレスレット?」
見下ろした自分の右手首には、濃い藍色の石が連なったブレスレットがあった。
視線を上げると、やはり目の前の佳柄は、やさしい笑みを浮かべていて。
「それね、ラピスラズリのブレスレット。今日の学校帰り、天然石のお店で買ってきました」
「え……なんで。俺に?」
「そうだよー。だってオミくん、実はしょっちゅうこないだみたいにケガしたりしてるでしょ?」
「………」
まさに彼女の言う通りなので、俺は黙る。
するとその佳柄の手が、また、ブレスレットをした手首に添えられた。
「だからね、これはお守りなの。ラピスラズリって厄除けの石で、『幸運の守護石』とも言われてるんだって」
「………」
彼女の手が俺に触れても、今度は、その手を離そうとは思わなかった。
ゆるく握った俺のこぶしを、こつんと自分のひたいにあてて。静かに、そのまぶたをとじる。
「オミくんに、もう、悪いことが起きませんように。オミくんのことを、誰かが傷つけませんように」
「………」
「……オミくんが、この手で、誰かを傷つけることがありませんように。オミくんのことを、この石が、守ってくれますように……」
なんちゃって、ね。
最後にそうつぶやき、彼女は俺の手をそっと降ろして。照れたように、微笑った。
「──ッ、」
その表情を、見下ろしながら。小さく、俺の手が震える。
見下ろした自分の右手首には、濃い藍色の石が連なったブレスレットがあった。
視線を上げると、やはり目の前の佳柄は、やさしい笑みを浮かべていて。
「それね、ラピスラズリのブレスレット。今日の学校帰り、天然石のお店で買ってきました」
「え……なんで。俺に?」
「そうだよー。だってオミくん、実はしょっちゅうこないだみたいにケガしたりしてるでしょ?」
「………」
まさに彼女の言う通りなので、俺は黙る。
するとその佳柄の手が、また、ブレスレットをした手首に添えられた。
「だからね、これはお守りなの。ラピスラズリって厄除けの石で、『幸運の守護石』とも言われてるんだって」
「………」
彼女の手が俺に触れても、今度は、その手を離そうとは思わなかった。
ゆるく握った俺のこぶしを、こつんと自分のひたいにあてて。静かに、そのまぶたをとじる。
「オミくんに、もう、悪いことが起きませんように。オミくんのことを、誰かが傷つけませんように」
「………」
「……オミくんが、この手で、誰かを傷つけることがありませんように。オミくんのことを、この石が、守ってくれますように……」
なんちゃって、ね。
最後にそうつぶやき、彼女は俺の手をそっと降ろして。照れたように、微笑った。
「──ッ、」
その表情を、見下ろしながら。小さく、俺の手が震える。