やばい、可愛すぎ。


───もしかして。


いや、でも。

俺は、思い出す。ものの数日前、白井が教室にやってきてやたらと、テンパっていたときのことを。


そうだ、あの時───あいつは、俺の机の上に載っていたパンを見て、何でもないって言ってた。



もしかして……。


その次を頭の中で、想像したら俺は思わず吹き出してしまいそうになる。


あーもう、本当にこいつは。どうして、こう。




にやけを見られたくなくて、俺は片手で口元を押さえながら、

その姿を見ていたら意地悪してやりたくなる。


「もう俺お腹いっぱいなんだけど。


 昼だってパン食ったし」


俺がそういうと、白井はぅっと弱気な顔になってじっと俺を見上げてくる。あーもう、本当になんでこんなに可愛いんだよ、こいつ。





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