やばい、可愛すぎ。
「あいつと」
「……え?」
隣に座って、どこからか出した本を読んでいた水瀬くんが、
本を立てたまま、言葉をつづけた。
「あいつと、なんかあったから、そんなに泣きそうな顔してんの?」
「……」
「目、赤いよ」
「っっ」
慌てて布団を手繰り寄せて、自分の顔を隠した。無意味だって、分かってるのに。
「まあ、理由はわかるけどね。
まさか御影くんじゃなくて、白井さんがこんなことになるなんて、……予想外だったけど」
本のせいで見えなかった、水瀬くんの顔がちらり、とだけ見えた。
その表情は、あーあ、と私に呆れているのか、自分に呆れているのか、とても寂しそうだった。
「これでも、狙った相手は必ず落としてきたんだけどな……」
「狙った……?」
「なんでもないよ」
水瀬くんは、持ち上げていた本を閉じて、膝に置くと───ゆっくりと私に向き直った。