やばい、可愛すぎ。


忘れようとしていた、あの時のことが鮮明に蘇る。

そっと、ゆりの顔に近付いていく、ミナセクン───そして、二つの影が重なって。


ぐらり、と頭を直接殴られたような痛みに顔をゆがめる。

けれど電話の向こうであっけらかんとした口調で、たぶん向こうでにやにや笑っているだろうような口ぶりで、



『あ、なんか勘違いしてる?』


「……は?」


勘違い?

脈絡がなさ過ぎて、何を言いたいのかまったくわからない。



『キスなんてしてないよ。

 白井さんの髪にごみがついていたから、とってあげたら、

 たまたま御影くんがいたから、もしかしたら勘違いするかな、って思ってほくそ笑んだだけ』









頭が、真っ白になった。



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