ニセモノ×初恋=??
そして放課後。

「ちょっと職員室に書類持っていってくるから、逃げずに待ってろ!」

と井ノ上に宣言し、教室をあとにした。

早足で職員室に向かいながら、このあとどう話をするかを考える。

―――それにしてもこんな悩むことなのか!?

自問自答しながら、あのときの事を思い出す。

あの直後はキスされそうになったと思い込んで恥ずかしかったが、頭突きするつもりだったんだろうということに気付いてからは、恥ずかしさなんて吹っ飛んだ。

けど、井ノ上は怒ってるのか何なのか私を避けるし、紗英ちゃんに八つ当たりしてるし。

全く、男らしくない。

けしからんな、と親父のような気持ちになりながら、心のなかでつぶやいた。

職員室に向かう途中、私と目があったひとがいたが、見覚えがあるような気がするけど誰だか思い出せない。

冷静に考えればわかる相手だったのだが、このときの私はとにかく井ノ上との話をどうにかしようということで頭がいっぱいだった。
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