ニセモノ×初恋=??
「あっ、ごめんなさい。ちょうど本屋で友達と会ったから、ちょっと迷っちゃった。けどいいよ、しょうがないもんね」

児玉くんとプライベートで少し過ごせると喜んだけど、仕方ない。

『生物らしくって。ごめんね~』

母の声は本当に申し訳なさそうだった。だが、

『あっ、もしよければ、お友達も家に誘ってみたら?』

「え?」

『家で遊んだら、荷物も受け取れるし、その子とも過ごせるからいいじゃない。昨日もらったアイスもあるよ』

名案、と言わんばかりに弾んだ声で提案してくる。

―――いや、確かにその方法もあるけど…。

『あっごめん、呼ばれたから仕事に戻るからね。よろしくね』

と、急に電話を切られた。


――――………児玉くんを家に?………


ふいに母に言われたことを反芻する。

別に、家に来てもらうのが嫌ではないが、まさかそう言われるとは思わなかった。

はたして、家に行くほどのことがあるだろうか?

たまたま会っただけだし、児玉くんがいつも降りる駅より私の方が遠いから、家に行くのは遠くなってしまうのに、わざわざ行く必要はないんじゃないだろうか。
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