ニセモノ×初恋=??
九条 柚(くじょう ゆず)さん。

施設見学に行ったときに会った、司総合病院の医療ソーシャルワーカーの人で、私が医療ソーシャルワーカーを目指そうと思うきっかけになった方だ。

施設見学のあとも何回か司総合病院の方にお邪魔して、医療ソーシャルワーカーになるためにはどうしたらよいかとかを聞きに行っていたので、割りとフレンドリーに接してくれる。


「久し振りー!元気だった?」

「あ、はい、元気です。九条さんはいかがですか?」

「私もバッチリ!たまには病院に遊びに来て~って私仕事中だけど」

と言って、ケタケタ笑い出す。

後ろについてきている男の人は、そんな九条さんの様子を見て、苦笑している。

目があったのでとりあえず会釈する。

「あっ、これ、うちの旦那。こちらは私の仕事に興味を持ってくれた例の各務さん」

「うちのがお世話になってます」

九条さんの旦那さんが優しい笑みを浮かべて、挨拶をしてくれる。

「いえっ、こちらこそお世話になってます」

あわてて再度頭を下げた。



そのあと少し世間話をして。

ちょっとさっきの出来事を忘れることができた。



「どうしたの?今日は一人?」

「あ、いや、一人というか何というか…」

「デート?デート?」

なぜかニヤニヤしている九条さん。

「いや、そういうわけじゃ…」

私が否定しようとしたとき。


「沙菜ちゃん!!」

「あ、田神くん」

死角になってた銅像の方から、田神くんが軽く走ってきた。

「大丈夫!?」

少し息を切らして走ってきてくれた。

「あ、うん」

と返事をすると、田神くんは私が一緒にいた九条さんを見て目を丸くした。


「柚さん…」

「えーっ!!各務さんのデートの相手ってヒロ君なの!?」

「???」



どうやらこの二人、知り合いらしい。
< 442 / 558 >

この作品をシェア

pagetop