ニセモノ×初恋=??
「田神くん、知り合いなんだ?」

田神くんの方を見て言うと、

「知り合い…うん、まぁ」

なぜかちょっぴり歯切れが悪い。

「知り合いどころか、この子のオムツつけてる頃から知ってるのよー」

田神くんの肩をバンバン叩きながら、また笑っている。

そしてピタリ、と止まると、

「ていうか、二人、付き合ってるわけ?」

私と田神くんを交互に見る。

「へ?」

「各務さんもヒロ君派?」

「ちょ、柚さん…」

ぐいぐい聞いてくる九条さんを、田神くんが止めようとしてたが、九条さんは興味津々だ。


そして。


「残念、各務さん、うちの弟は好みじゃなかったのね」

と笑い出す。

「弟?」

「柚さん、ストップ…」

「そうそう、樹。ちょっと無愛想よねー」

田神くんの制止を無視して発した九条さんの言葉に、気になるフレーズが。

「…樹?」

「そう。児玉 樹。いまクラスメートなんでしょ?」



……………………?


「………はい?」

思わずポカン、とする私。

田神くんはあちゃー、って顔をしている。


……児玉……樹……?


……………。





「えぇぇっ!?えっ、あの、児玉くんって、九条さんの弟ですか!?」

「えっ、知らなかったの??樹、言わなかった?」

「いやっ、全く!って……うそ、えぇ!?ってことは、未だにごはん作ってるか怪しいと言ってたお姉さん!?」

動揺してとんでもないことを口走ってることに気付かない私。

「…樹、そんなこと言ってるの…?許さん…」

表情がかわる九条さんの後ろで、旦那さんが吹き出している。


「あ、いや、違うんです、あの……」

「沙菜ちゃん、まあいいから落ち着いて」

田神くんが苦笑して私の肩を掴んだ。



―――何なの、何なの今日。何でこう次から次に…。


もう、私の頭はキャパオーバー気味なのだった………。
< 443 / 558 >

この作品をシェア

pagetop