欲張りでいーでしょ!!!
勝ったら俺と付き合ってほしい
紗羅side


『ど、どーしたの??水鳥ー....』

『俺 E組だから。』

そー....だった。


杏と同じクラスだった。水鳥はー....


『ち、ちょっと....
保健室行きた『アイツのとこ??』....え?』

ドクン

『あ....いつって....』

声がうわずる。

『影山忍だっけ??夢山と仲良しだったからさ』

ドクン

『忍は....ただのー....』


ただのー....??


本当にただの....友達なの??



でもッッ....


杏side


『キャァァァ!!!』

女子のノイズ音のような悲鳴....

『朝日!!!さっきこの子にお姫さまだっこしてたよね!?』
『目の錯覚に決まってるよね??朝日君ッッ』
『もしかして....付き合ってるんですか!?』


『ちょっ....』

早く体育館に行かなきゃいけないのにぃぃ!!!

朝日の追っかけ(??)がヤバくて
前に進めないよぉぉぉ



『え....もしかして....お二人手繋いでます??』

1人の女の子の声が沈黙を呼んだ。


シィン....



『キャァァァ!?本当に付き合ってるんですか!?』
『朝日君ッッやめてぇぇ』
『その手....が事実をぉぉ』


『え!?/////』

私ったら!!!どさくさに紛れて手繋いでたぁ!!!///

『....うるさい』

朝日!!!

ギュッ

『手....繋いでたら悪いかよ??』

キュンッ

『ちょっ///朝日!!!///』

コソッ
『言っとくけど繋いだのお前だからな』

カァァーッ///


て、照れてる場合じゃないッッ!!!

紗羅の所に....


行けないよぉぉ!!!



『ほら、走るぞ笠原』

グイッ

『ワッ』

キャァァァ!!!

後ろから聞こえる悲鳴が心の歓声と重なった。


朝日に手を引かれて体育館に走った。


紗羅side


『....忍は....ただの友達じゃないの』

のどを殺して出した声。


だってー....嘘はつけない。


『....』

グイッ

『キャッ』

思いっきり手を引かれた。


『痛ッッ....』

『お前は....俺の彼女だろ』


わかってたじゃんー....

水鳥は尋常じゃないほど
ヤキモチ焼きって事ー....


『証明してやるよ。
俺がお前の彼氏だってことー....』

私の顎にかけられた手が水鳥の唇に近づく。

ッッー!!!

助けてッッ

水鳥ー....


私は水鳥が好きだったけど…





こんなの水鳥じゃないよッッ!!!!!!!!!


ガシッ


『いくら彼氏だからって…
彼女が嫌がる事していいのかよ??』

『忍!!!!!!』

涙で視界がかすむ。

でもハッキリと分かるのは....
忍が助けに来てくれた事ー…


『…お前が影山 忍??』

『あぁ。悪いかよ』

ギュッ

忍は私の手を握ると

コソッ
『大丈夫だから。』


その声は天使のささやきに聞こえた。


『あいにく夢山は俺の彼女なんでね。
ただの友達の君には助ける権利なんてないんだよ。....それとも....まさか夢山の事好きとか言わないよな??』

カァァーッ///

水鳥の言葉に見事に赤くなる忍。


『....そんな男に夢山....いや、
紗羅はあげれない。』



『....それは無理だ。
俺は....コイツの何でもないけど....
守ってやるって決めたから。』

忍ー....!!!

『じゃあ....勝負する??剣道で。』

水鳥!?何言ってるの!?

『剣道....』

『無理なら紗羅は貰うけど。』

剣道なんて....忍はサッカー少年なのに....!!!


『うけてたってやるよ。
その勝負。勝ったらコイツは貰うから。』


ドキッ

『じゃあ、明日の放課後ー....ね』

そう言い残すと水鳥は体育館を出ていった。


『忍!!!何言ってるの....
剣道なんてー....水鳥は県大会レベルよ!?』

『勝つから。』


『え....』


真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうー....

『勝ったら俺と付き合ってほしい....夢山』


ドクン

『え....!?////////////』

『じゃあな。』


は....はぁぁぁぁ!?//////////////////

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