欲張りでいーでしょ!!!
祈ってる....
ちょっ....待って。


頭を冷やそうね??紗羅ッッ....



い、....イキナリ告白ぅぅ!?///

しかも....勝ったらって....一方的過ぎる!!!
私の気持ちも....少しは考えなさいよ。


『紗羅ぁぁぁぁぁッッ』

ビクッ

『杏ッッ!!!』

ギュウウウウッ

杏は半泣き状態で私に抱きついた。

『紗羅ッッ....ごめん....ッッ大丈夫??』

『大丈夫に決まってるじゃん✩
ココ学校だしね!!!』

ーー....杏は覚えてたんだよね。


水鳥がヤキモチ焼きで....
昨年のことー....

気付いてないと思ってたのになぁ


『....水鳥は....危ないぞ夢山』

『宮沢....』

そーいえば....宮沢も....

去年同じクラスだったっけ。


そうあれはー....
6年の夏休み。


~1年前の夏休み~


『水鳥ッッおはよーッッ』

私、夢山 紗羅は
いつも通り水鳥に挨拶していた。

『おはよ夢山』

恋人らしい事はしないけど....

普通に楽しかった。


もうすぐ夏休みー....

という時だった。


『じゃあ多数決の結果で夢山と滝川に決定な。夏休み安全健康コンクールのポスター作成係』

先生の声でクラス中は冷やかしで溢れた。


もちろん、クラスではバレバレだった。
私たちが付き合ってる事ー....

『夢山と水鳥自分達で票入れてたりしてーッッ』

なんて冷やかし声。

『はぁ??違うし....』

水鳥....そっけないなぁ。

『ま、頑張ろーぜ夢山』

『キャァァァ!!!♡』

女子の歓声

『う、うん....///』

心底楽しみだった。


夏休みでも彼氏に会えるのだから。

でもー....そんな簡単な考え甘かった。


『水鳥ッッデザインこれでいいかな??』

『もーすこし色足した方がいいかも....
あと白ちょっと....』

最初は真剣な目に惹かれた。



でもー....何度言っても水鳥はOKを出してくれなかった。


少し息抜きに公園に言った時。


『はぁぁぁぁ....』

ため息が待っていたかのように
一気に溢れ出す。

コロコロ....

ボール??

『すみません!!!そのボール....
ってあれ....夢山??』

『あれ....岳??』

岳は杏の片想いの相手だからよく知っている。

『何だよ。ため息なんてついて』

『別に』

『無理すんなよ』

『....ども。』

恋愛感情は無かったけどー....正直嬉しかった。

『じゃ、また』

『バイバイ』

そう言っていた時ー....

水鳥が見ていたなんて思いもしなかったの。

『あ....れ....水鳥??』

なぜかドクンとした。

『何で焦ってんの??....岳と話してたから??』

怒ってるー....??


『み、水鳥....』

顔に出てたんだろう。

焦りと不安が。


『....ッッ........ごめん。ムキになって』

予想外の言葉を聞いてびっくりした。


『多分....俺、妬いてる///』

『え....///』

『さ....早く帰って続きやろーぜ!!!』

嬉しかったー....

水鳥の感情に。感動した。


夏休み明けー....


『何と、ウチのクラスの夢山と滝川の作成が
優勝した!!!』

先生の声に歓喜があがる。

『ラブパワーだなッッ』
『さすが紗羅ちゃん!!!』
『水鳥すげぇーッッ』

『あ....ありがとう///』

そこに岳と水鳥はいなかった。




ガララッ

『遅刻しましたすみません』

水鳥!!!

後ろのドアから水鳥が入って来たと同時に前のドアが開いた。


『先生ッッ!!!!!!』

1人のクラスメート男子。


『何だ、お前も遅刻か??』

先生がふざけて言った時


『岳がッッ!!!!!!!!!
廊下で....下の廊下で倒れてますッッ!!!!!!!!!』

ザワッ

ガコンッ

ざわめきを消すように立ち上がったのは杏。


『どいてッッ』

ドアの前の水鳥を押し退けて走っていった。

みんなもそれに続いて走る。


『岳ッッ!!!!!!
岳....大丈夫!?しっかりしてよッッ!!!岳?!』

半泣き状態な杏の涙が岳の青白い顔に落ちる。



そして....岳は保健室で1時間後目を覚ました。


後ろから誰かに殴られたらしい。


たんこぶで済んだけど....恐い。

恐怖が襲った。


それとーー....恐ろしい思考も浮かんだ。


怪しい....水鳥


私と岳が会っていたのを見て怒った水鳥。
滅多に遅刻なんかしない水鳥。

何より....

後から来た男子は岳に気付いたのに....前に来た水鳥は岳に気付かなかったー....という事。


もちろん、みんなもそんな思考浮かんでた。


だから噂になった。

水鳥が岳を殴ったって。


悲しい笑顔で話しかける水鳥を....
私は信じるしか出来なかった。

友達には別れろって言われたけど....!!!


無理だった。


だから、鈍感な杏以外はほぼみんな水鳥をさけるようになった。

中学になったらその噂は消えかけてるけどー....


何で思い出さなかったんだろう。


どうしてー....!!!


どうしよう。ッッ


忍....ッッ

岳の二の舞になったらー....ゾクッ

『杏....どうしよう』

『紗羅?!』

涙が頬をつたる感触。

『忍を巻き込みたくないッッ!!!
岳みたいになってほしくないよ....』


『よほど好きなんだな。忍のこと』

え....??

『アイツは簡単に諦める弱い奴じゃねーし。
大丈夫だろ』

宮沢....!!!

『....紗羅....私は単純で馬鹿だけど....
紗羅の幸せを祈るからね』

杏....!!!


私は応援しか出来ないけど....

祈る事しか出来ないけど....


勝って....!!!


絶対に勝って....忍ッッ!!!


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