欲張りでいーでしょ!!!
ライバル×友達




ヴーヴー

ケータイの音に目を覚ます


あの後 裏門を使って帰った

泣きつかれて寝てたみたい...。

涙で腫れた目を擦りながらケータイを取った

【新着メール1件】

杏だ!


開いてみると

【不在着信7件】

7件も!?


それは全て忍からだった。


杏からのメールを開いた


【委員会の仕事 お疲れ様☆忍からメールが耐えないよー(泣)紗羅、なんかあったの?それと、伊織が紗羅のメアド教えてって言うから教えて置きました♪】


ダブルで来たし。


忍、杏に相談してたの?
そんなに...私の事気にしてるわけ?

電話帳の【影山 忍】で手が止まる


電話ー....してみる?



【発信】ボタンを押そうとした指が 止まった

ドクンッ


忍の伊織に対する笑顔がプレイバックする




ヴーヴー


【新着メール1件】

またメールが来た


誰?知らないアドレス


【椎名 伊織です!勝手にメールしちゃってすみません】

伊織....!?


【杏ちゃんから聞きました。影山君の彼女は紗羅ちゃんだったんですね(*^^*)】

ドクンッ

【私はあきらめますね。カップル潰しは趣味じゃないので(*^^)v】

伊織ー...


これでいい...






わけない!!!


私は気付いたら伊織にメールしてた


【電話して!!】


送信してから1分も経たないうちに電話が来た


『あの...紗羅ちゃ『何言ってんの!?』え...?』


伊織の声を遮って私は怒鳴った

『あきらめますね...?何言ってんの!?』


『紗羅ちゃん、落ち着いて!』

電話越しに伊織の不安そうな声が響く

『一目惚れ...したんでしょ?優しかったんでしょ!?そんな簡単にあきらめちゃダメだよっ!!』


『...ッッ...』


『そりゃあ、私達はライバルになっちゃうし、もしかしたら友達じゃなくなっちゃうかもしれないけど...。』

ゴクッ

『好きなら簡単にあきらめちゃダメだよっ!!もっと欲張らなきゃ!!』

ドクンッ


『フフフフ...紗羅ちゃん、優しいんですね』

『は、はぁ?///』


伊織は、悪くない。
普通に恋する乙女だもん。

忍も、悪くない。
優しい忍が、好きなのは私だもん。


悪いのは、私だ。


『伊織、ライバルとしてよろしくね?』

『はいっっ!』


私は、付き合ってるけどね...


『近いうちに告白しますので!』

『うん☆頑張れー』

『それでは、おやすみなさい!』

『うん!』

ツーツー


ん?


今 伊織...


近いうちに告白しますので!...



『え、ぇぇぇぇえええ!?』


私、頑張れって言っちゃった...


頑張らなきゃいけないのは私だよ!!!
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