欲張りでいーでしょ!!!
懐かしい人
忍に電話...するのには勇気が入りすぎて、
結局電話出来ず、昨日はケータイとにらめっこして終わった
寝不足だし。
朝練はイライラしかしない。
『紗羅ぁぁー!!!』
杏の声に
『あ゛ー...なに?』
『機嫌悪ッッ!』
杏は後ずさる
『伊織から聞いてんでしょー?忍のこと。』
『伊織と忍 さっき廊下歩いてた』『はぁぁ!?』
今、朝練中だよ!?
伊織はともかく...。
忍、サッカー部は!?
伊織の声がプレイバックした
『近いうちに告白しますので!』
ドクンッ
『杏、先生と先輩によろしく!』
タタタタタタタッ
『ちょ、紗羅!?』
タタタタタタタッ
体育館を出て左、長い渡り廊下の
先に伊織と忍。
『影山君、好きです...///』
告白真っ最中かよ!!
『助けてくれた時...一目惚れしました///』
ドクンッ
長い沈黙の後忍の口が開いた
『椎名ー...か。似てるな。やっぱり。』
ドクンッ
似てる...?
昨日も懐かしいとか...そんなことー...。
『でも、ごめん。
俺には紗羅しかいないから。』
ドキッ
久しぶりのトキメキ。
顔が思わず火照る
『やっぱり、分かってました(*^^*)』
伊織は下を向いて苦笑いした
カチャッ
『...でも、気付いてないよね?』
伊織は眼鏡を外して微笑んだ
『え...』
伊織は前髪をフワッと上に上げてまた微笑んだ
『お...前...ッッ...まさか...伊織...!?』
『久しぶり、忍』
焦る忍に 微笑む伊織。
な、なにこの嫌な感じ。