欲張りでいーでしょ!!!
王子様みたいだね
杏side


『はぁぁぁ!?伊織と忍、兄弟だったの!?』

杏です。

今 紗羅から衝撃な事実を聞かされてます!


『良く考えたら似てるよねぇー』

紗羅は呑気にあくびしてるし

ていうか、似てる!?

『どこが!?』

『うーん...。
異性の扱いが慣れてるとことか?』

笑い混じりに目線を逸らす紗羅


『忍って異性の扱い方慣れてるんだ...』

そういえば、紗羅と忍って、
なんだかんだ言ってお似合いだよねー!

相手の事よく分かってるし!


うらやましい ゜*。:゜


『でも、クラス替えしたらヤキモチ妬きまくっちゃうかも...』

紗羅が苦笑いしながら話す


『クラス替え...?』


『うん...もう2月下旬じゃない』


忘れてた...。


もう少しで、クラス替えだ。


朝日とは、小5、小6、中1の3年間連続同じクラスだった。


それは本当に奇跡的な事。



でも...来年一緒になれる確率は六分の一。


『ま、そんな心配すんな!杏!まだ1ヶ月くらいあるし!』

紗羅は肩を叩いて慰めてくれるけど。

1年間本当にあっとゆーまだったなぁ...。




『は...は...くしゅっ!!!...』

ズルズル


イキナリくしゃみ...。

鼻水も出てるし...。


『ちょ、杏、風邪!?』

『早めの花粉症じゃない?ゴホッゴホッ』

『そっか、花粉症は大変だねーお大事に』

お大事にも何もないけど。


花粉症...だよね?



『ゴホッゴホッ』

授業中も咳が止まらない...

結構今年は花粉キツイなー。


『風邪?』

朝日の声に少しだけ安心。

『多分 花粉症...ゴホッゴホッ』


『これから全校集会だけど。平気なのかよ』


『うん、平気平気』

何か、いつもより朝日がカッコ良く、
頼もしく見える...

クラス離れたら、こんな事もして
もらえなくなっちゃうのかな...


~全校集会~


『ーーーでは、これをもちましてーーー』

校長先生、話長いよ...。

立ったまま聞かされてる生徒の身にも
なってよ...。


ボーッ


『ゴホッゴホッ』

頭がボーッとする...


貧血......?



フラッ


やばい、倒れる......



『笠原!!!!!!』


トスッ


霞んだ視界から見えたのは心配そうに私を呼ぶ朝日


本当に、王子様みたいだよ


クラス替え...なんて、したくないよ...



そこからの意識はない
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