あたしと3人の王子様*
ヒロくんは一度もあたしに話しかけずに、自転車をこぎ続けた
「……」
ヒロくんって、華奢だけどしっかりした背中だなぁ~…
あたしは思わず、ヒロくんの背中に顔をくっつけた
「わっ!」
「キャーっ」
キキーッ
ヒロくんはいきなりバランスをくずし、急停止した
「は、花ちゃん、大丈夫?」
「あたしは大丈夫だよ! ヒロくんいきなりどうしたの?」
「いや~…」
ヒロくんは少し照れくさそうに頭を掻いた
前を向いていたヒロくんは少し頬が色づいた顔をあたしに向けた
「笑わない?」
「え、どういうこと?」
「実はさ、俺…背中を触られるのがすげー苦手っていうか、くすぐったいんだよな」
つまり…ヒロくんの弱点ってことだよね?
それに、背中を触られるとくすぐったいってなんか……
「花ちゃん、俺笑わないか聞いたよね?」
「えっ!」
ヒロくんが少しだけ悪魔の微笑みをあたしに向けたから、笑顔がひきつってしまった