僕の、うさぎさん。


だけど、すれ違う人は俺らのことはまるで見えてないように素通りする。



試しに何人か呼び止めてみたけれど、みんな迷惑そうに首を横に振るだけだった。



そんなこんなで、もう一時間が経とうとしている。



はぁ、とさのひなこはため息をもらした。




「ちょっと、待ってて。」



俺は近くのコンビニに走り、腹の足しになるようなものを探した。



さのひなこ、なにが好きなんだろう?



さのひなこのイメージ的には……わたがしとか、アイスクリームとか、甘いものが好きそう。


だけど寒がってたからな…



あったかいし肉まんにしよう……



肉まんを2つ注文し、さのひなこのもとに戻った。




「ん。お腹空いたでしょ」



「え…」



戸惑う彼女に、俺は無理やり肉まんをもたせる。



「これ食べて、元気だそう。で、また飼い主探し頑張ろう。」





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