続》スウィートレッスン

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「おーい!大地 ここだ」


駅裏にひっそりとある…狭い居酒屋。


学生時代から 俺たちの行きつけの店だ。


「わりぃ 遅くなった」


ヒナの代わりには ならないけど、1人で夕飯を食べるのは 寂しいと思った俺は篤人を誘った。


「久し振りだよな。元気してたのかよ?」


「まぁな。篤人も変わってねぇな」


採用試験が まだパスできない篤人は、今 大きな予備校で数学の講師をしている。


同じ数学を生徒に教えていても、俺たちは全然見た目がちがう。


大学生時代と変わらないラフな格好をしている…篤人。


それが ちょっと羨ましいなんて思いつつ、社会人になってからも こうやって時々、俺と篤人は外で会っていた。


つっても…何があっても


俺の優先順位の1番は 不動だけど。
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