虹の架かる橋
出国手続きをして、いつものカフェで時間を調整する。


初めての見送りは、ケンとユリが居た。


次は私だけ。


そして今回はミーがいる。


ミーの存在が、こんなに私の中で居心地が悪いと感じたのも初めてで、この感情がどういうものなのか解らなかった。


私はマサとこの時間にもっと話したいのに、その雰囲気に飲み込まれて話が出来なかった。


時間は刻々と進んでいる。


マサと離れてしまう寂しさと、話が出来ないもどかしさで涙が込み上げてきた。


もはや、感情のコントロールも失っていた。


ミーを連れてこなければよかった……。


後悔が私の心を締め上げる。


「トイレ入ってくるね。」と涙の限界を感じた私は席を立った。


こんな事、一度も無かったのに。






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