虹の架かる橋
何とか涙を抑えて、鏡をチェックする。


大丈夫、しっかり!!と自分に暗示をかけてマサの所に戻ると、もう飛行機に乗る時間になっていた。


マサは私を見て席を立って「時間だよ」と言った。


その言葉がとても遠くに感じた。


今日の私は完全におかしい。


マサの「時間だよ」と言う言葉が頭の中に入り込み、何度もこだまして離れなかった。


出国ゲートの前に立ち、「今日のケイは元気無いね…。そんな見送りだったら気持ちよく行けないよ」とマサに言われてしまった。


「ごめん」と謝るが、マサは機嫌良くない顔をして「行ってきます」と言い残してゲートにさっさと入ってしまった。



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