虹の架かる橋
マサが行ってしまった私は、当然元気なく毎日を過ごしていた。




そして、マサがNZに旅立って5日が過ぎた。




郵便物を見に1階のロビーの横のポストに行くと、沢山の広告と一緒に1通の手紙が入っていたのを見つけた。


表には「ケイへ」と書かれている。


その手紙には切手も貼られていないし、住所も書かれていない。


広告と一緒にその手紙を持ち帰って、封を開けた。


中から三つ折りになった便箋を取り出すと、最初の一行目に「ごめんね」と書かれていた。


凄く嫌な予感がした。


その字は、私のよく知っている字で、何枚か重なり合っている便箋の先を、読み進めるのが怖く思えた。


ごめん、なんて言葉から始まる手紙には、良いことなんて書いてあるはずが無い…。


少し手紙から目を反らして深呼吸をした。


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