お前のことが好きだから。
__二日後
「行ってきまーす!!」
ガチャ
玄関の扉を開くと目の前には制服を身に纏った優里がいた。
「うぃっす、今日も鈴は可愛いな。」
「おはよ、優里ちゃん、相変わらずの美人さんだね~。」
毎朝、登校しているときの恒例である誉め合いをして、あたしたちは学校へ向かった。
あたしたちが通っている光常高校はあたしの家から徒歩10分で着く。
電車やバスもいらないから毎朝楽チンだ。
ちなみに優里の家もあたしの家から近い場所にある。
「春ももう少しで終わりだな~。」
「そうだね。」
もう少しであたしたちが入学してから二度目の春が終わる。
あたしは、花壇にあるアガパンサスを見つめた。
「あれ?こんなところに花なんてあったっけか?」
「何言ってるの?優里、前々からあったよ。」
なにかが起こりそうな予感がするな。
それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。
ただ、そんな予感がした。
アガパンサスの花言葉は
“恋の訪れ”