恋の扉を開けて
「秀作じゃないか!」

「ハロー!」

「何がハローだ!?」

今や専務とお客は肩を抱き合っていた。

私は二人を見てわかった。

彼は専務の元パートナーだ。

確かカメラマンだと言っていた。

私は悪寒を覚えた。

突然現れた彼に専務を奪われるかもしれないという予感に背筋が凍った。

「ルリル?」

「はい、専務。」

「上がっていいよ。」

「はい、失礼します。」

私は二人には目もくれずに奥へ下がった。

背後で専務の声を聞いた。

「オフィスで話そう。」

しばらくして専務と元パートナーの二人の太い笑い声が響いてきた。

私はその声を背に店をあとにした。

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