Dear.
でも、もしその約束が無くて彼女に僕の殺気を浴びせたら...


怯えて、白い頬に涙を伝わせるのだろうか?

それとも、必死に僕を止めるのだろうか?




もしかしたら、どちらもせずただ僕を彼女の美しい瞳に映し、哀れむだろうか。




そんな事を、考えていたら歪む


口元が歪む


心が歪む


いや、もともと後者は歪んでいるの..か。




二階に来て斬った人数は三〜五、と言った程度で下ほどは多くはいない...が、いるんだろう?



強い、この会議の主犯者が。




ガタン、と何かが落ちた音が奥の部屋で聞こえた



なあんだ、そこか。



進行方向をグルリと音のたった方へと変え徐々に徐々に近寄る




刀を下段に構え顔をその部屋へと覗かされば...


つまらないな。



「切腹なんて、楽しくない。」



シーン、とした部屋に響く僕の声



「どうせ死ぬんだったら、僕に殺されてくれない?」



今まさにその場で切腹しようとする者の動きは止まり僕を睨む



「どうせ、死ぬ?

お前が死ぬかもしれぬではないか。

結果が同じように言うのは解せぬな。」


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