Dear.
「じ、じゃあ、山崎様呼んできますね?」


その微笑みがなんとも綺麗でうっとりしている自分がいて、慌ててそう言って立ち上がろうととしたのだが、ギュゥ、と掴まれる着物の袖


「...総司??」



「まだ...居てよ。」



ぼっ、と火照る顔。
だって、総司のそう言った顔がなんだか艶めかしくて、なのに何処か子供っぽくて...


紅くならずにはいられない



「ね?いいでしょ?

慶━━。」



彼が私の名を呼ぶ声が甘く、痺れるように耳の奥に響く



そんな声聞いたら、肯定の言葉を述べるしかないじゃない


私は彼に酔うように

「は..「おーい、慶ちゃん。
総司起きたか?」」


言葉を述べようとしたら遮られた。



「や、ややや山崎様!!!!!」



「おー、起きたんや馬鹿。」


ズズズッとさらに埃かぶった障子が開いて入ってくる山崎様


「ねぇ、山崎君ワザと?」


殺気をむき出しにして山崎様を睨む総司のからはさっきの優しい甘い雰囲気はなくなっている


「んー?何の事かわからんな?」


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