†あたしだけが知ってる† ~どうしようもないくらい好き~
  「優姫大丈夫か・・・?」


  あたし達はいつまでこうして
  いたのだろう??


  翔太はあたしが落ち着くまで
  ずっと抱きしめてくれてた。


  顔は見えなかったけれど、
  きっと翔太は苦しそうな顔
  をしてたよね??


  「もう大丈夫。ありがとうね?」


  笑おうと思った。いつも助けて
  もらってばっかりだから。


  あたしが持ってるものは
  あたし自身だけだから。


  笑うのは苦手だけれど。


  無理してるわけじゃないんだよ?


  翔太にも笑って欲しい。


  翔太が笑ってくれたらあたしは
  ほんの少しだけ楽になれる。


  笑って冗談を言って欲しい。


  だからあたしも笑うよ。


  ねぇ、翔太?


  あたしは翔太がいてくれて、
  ほんの少し明日に希望を持っても
  いいかなって思ったよ。


  苦しくて苦しくて。怖くて。
  底の見えない悲しみから絶望から
  あたしを戻してくれたのはいつだって
  翔太だったんだよ?


  あたしは翔太のことをちゃんと
  笑わせられていましたか?


  

  


  


  


  
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