ため息をついた日
さっき通り過ぎたカフェは、確か外からは見えない席があったはず。
二人で来たときは入口に近い席にしたけれど、一人の時には奥の席が人目が気にならずに好きだと優愛が話していたのを思い出した。
走るように、ほとんど走っていたかもしれない。カフェにたどり着くと、直ぐに一番奥の席を見に行った。
そこに優愛が………
居なかった。
だけどまだ店員がカップ等を下げているところだった。
出ていったばかりなのかもしれない。思いきってその店員に聞いてみることにした。
「すいません、ここに座っていたのって肩ぐらいの長さの髪で、多分クリーム色のコート着た女の子じゃないですか?」
えっ?と、少し怪訝な顔をした店員に慌てて言い訳をする。
「ちょっと彼女とケンカしちゃって、ここのシナモンの入ったミルクティーとチーズケーキが好きだから、いるんじゃないかと思って…。」
あぁ~。と納得したように頷く店員にほっとしたのもつかの間、気になることだらけの発言をした。
「以前、お二人でいらしてくださいましたよね。いつもと違う席だからか、彼女さんの方は落ち着かない様子でしたけど。今日もずいぶん沈んでいらっしゃるようでしたから、よくご注文頂いていたチーズケーキを、普通サイズですとご遠慮なさるでしょうから、小さめにカットしてサービスさせていただきました。」
男性店員は柔らかく微笑んでいるようで、視線は笑っていなかった。
二人で来たときは入口に近い席にしたけれど、一人の時には奥の席が人目が気にならずに好きだと優愛が話していたのを思い出した。
走るように、ほとんど走っていたかもしれない。カフェにたどり着くと、直ぐに一番奥の席を見に行った。
そこに優愛が………
居なかった。
だけどまだ店員がカップ等を下げているところだった。
出ていったばかりなのかもしれない。思いきってその店員に聞いてみることにした。
「すいません、ここに座っていたのって肩ぐらいの長さの髪で、多分クリーム色のコート着た女の子じゃないですか?」
えっ?と、少し怪訝な顔をした店員に慌てて言い訳をする。
「ちょっと彼女とケンカしちゃって、ここのシナモンの入ったミルクティーとチーズケーキが好きだから、いるんじゃないかと思って…。」
あぁ~。と納得したように頷く店員にほっとしたのもつかの間、気になることだらけの発言をした。
「以前、お二人でいらしてくださいましたよね。いつもと違う席だからか、彼女さんの方は落ち着かない様子でしたけど。今日もずいぶん沈んでいらっしゃるようでしたから、よくご注文頂いていたチーズケーキを、普通サイズですとご遠慮なさるでしょうから、小さめにカットしてサービスさせていただきました。」
男性店員は柔らかく微笑んでいるようで、視線は笑っていなかった。